現代なら確実に放送事業者の倫理観を問われる事態に発展するであろう、悪乗りが過ぎる2つの追悼ドッキリ企画!「吉田拓郎死亡放送」と「木梨憲武の盲腸緊急追悼特番」
1991年10月31日、フジテレビ系列で放送されたバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげです」で、冒頭から『緊急放送!盲腸で倒れる 木梨憲武さんを偲んで…』と題し、木梨憲武が死亡したという設定で、生放送の追悼特番を模したドッキリを放送した。木梨の大きな遺影とそれを取り囲むたくさんの菊の花をバックに、石橋貴明とアナウンサーの野崎昌一が深刻な気配で会話し2分半ほど経過したところで、緑のジャージを着た木梨が現れるというシュールなコントであった。放送中や番組終了後には、「本当ですか!?」との質問や「ふざけるな!」との抗議の電話が約800件にも上った。盲腸により木梨が入院してOAするネタが無かったことからこのドッキリが企画されたが、多数の菊の花と木梨の写真を配した大きな祭壇を組んだ追悼セット、暗いBGM、現役アナウンサー出演など、あまりにも悪ふざけが過ぎるとの声が多かった。また木梨自身も、親戚のおばあちゃんにこっぴどく叱られたという。なお、このドッキリでは通常では追悼特番で用いられる「亡くなられました」という言葉は一切使われておらず、「信じられない事になってしまいました」とあくまでも彷彿させる程度の言葉を用いていた。