小野茂樹

小野茂樹(おのしげき 1936年12月15日生)
 [歌人]



 東京都出身。高校卒業後、早稲田大学文学部国文学科に進学、早稲田大学短歌会に入会。短歌結社「地中海」に参加し、香川進に師事。1963年に大学を中退し、角川書店や河出書房新社に編集者として勤務する。

 1968年に第一歌集『羊雲離散』を刊行し、翌年第13回現代歌人協会賞を受賞。瑞々しさにあふれたやわらかな相聞歌が高く評価された。また、少年期の学童疎開(9歳で長野県に集団疎開し、栄養失調状態で帰京)の経験が作品に濃厚な死の影を落としているとも評される。

 恋愛、失恋、結婚、離婚、再婚などで私生活の面で一部の注目を集めたが、1970年に銀座の行きつけのバーから帰路のタクシーに乗車中、タクシーが運転ミスで昭和通りの中央分離帯に激突。そのはずみで小野は車外へ放り出され、後頭部を打って死亡した。死後、遺歌集『黄金記憶』が刊行された。

 1970年5月7日死去(享年33)