クリス・ブリストウ

クリス・ブリストウ(Christopher Bristow 1937年12月2日生)
 [イギリス・レーシングドライバー]



 ロンドン出身。1959年、ブリストウはBRPから地元イギリスGPでF1デビュー。このレースはF2使用のマシンでの出走だったが、決勝10位を記録。これは混走したF2マシン勢の中でも最上位の順位だった。翌1960年も引き続きBRPからF1に参戦。完走こそ無かったものの、第2戦のモナコGPでは予選4位を記録するなど好調を見せていた。

 しかしブリストウは、のちに「暗黒の週末」と呼ばれることとなる第5戦ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)で命を落としてしまう。前日の予選中、スターリング・モスやマイク・テイラーが重傷を負う事故を起こすという波乱の展開で迎えた決勝レース。雨のスパウェザーのなか、予選9位から順位を上げフェラーリのウィリー・メレスと激しい3位争いをしていたブリストウだったが、20周目にバーネンヴィルでコースアウトし、そのままアームコ・バリア(二重構造のガードレール)にほぼ直角で激突。さらにそのバリアを突き破って土手に衝突しマシンは大破した。ブリストウは、突き破った際に鋭利な凶器と化したアームコ・バリアによって下顎から上を切断され即死した。

 ちなみにブリストウの事故は、前日の予選でモスが起こしたのとほぼ同様のもので、事故現場もモスが起こした現場から数メートルと離れていない場所だった。さらにブリストウの事故が発生してから5周後にもロータスのアラン・ステイシーが顔面に鳥が直撃し死亡する事故が発生し、このグランプリはF1世界選手権開設後初となる「1グランプリで2名以上の事故死者を出したグランプリ」となってしまった。

 1960年6月19日死去(享年22)