ベッシー・スミス

ベッシー・スミス(Bessie Smith 本名:エリザベス・スミス 1894年4月15日生)
 [アメリカ・歌手]



 テネシー州チャタヌーガ出身。主に1920年代から1930年代にかけて活躍した歌手の一人。当時の黒人歌手としては大きな成功を収め、「ブルースの女帝」「ブルースの皇后」とも呼ばれた。「建造物を揺るがす」ほどの圧倒的な声量と芳醇な情感を保つ歌唱力で聴衆を魅了し、偉大なブルース・シンガーとして現代でもその人気と名声は語り継がれている。

 近代アメリカのポピュラー音楽史上、スミスの存在は後に活動する多くの歌手たちへジャンルを問わず幅広く巨大な影響を与えていた。スミスを尊敬したという歌手にビリー・ホリデイ、マヘリア・ジャクソン、ジャニス・ジョプリン、ノラ・ジョーンズ達が挙げられる。作品では『セントルイス・ブルース』、『どん底あっても人は気づかず』、『難破ブルース』などの録音が有名。『セントルイス・ブルース』では、ルイ・アームストロングがコルネットの伴奏をつとめている。

 スミスは1937年、メンフィスへの巡業中に乗っていた車がトラックに追突する交通事故に遭い、近くの病院に搬入されたものの、白人専用病院だったので受け入れを拒否され、たらい回しになった。ようやくミシシッピー州クラークスデールにある黒人専用病院に移送されたが、息絶えてしまった。

 1937年9月26日死去(享年43)