山崎晃嗣(やまざきあきつぐ 1923年10月生)
[光クラブ事件の主犯者]
しかし、同年7月4日に山崎が物価統制令違反で逮捕(後に不起訴)されると同時に出資者の信用を失い、業績が急激に悪化。その後、名称のみ変更してさらに資金を集めようと図るも成功せず、11月24日深夜、約3000万円の債務を履行できなくなった山崎は、本社の一室で青酸カリをあおり、遺書を残して服毒自殺した。
東京大学出身のエリートが起業して知能犯罪を犯すという典型として、その後も光クラブ事件になぞらえる新聞・雑誌記事などが散見される。1988年のリクルート事件では、清水一行がリクルート創業者の江副浩正について言及する際に山崎を引き合いに出している。また、2006年1月のライブドア事件でも、ライブドア社長であった堀江貴文が逮捕された際に同様の反応が出た。
●山崎が残した遺書
一、御注意、検死前に死體に手をふれぬこと、法の規定するところなれば京橋警察署にただちに通知し、検死後法に基き解剖すべし、死因は毒物は青酸カリ(と称し入手したるものなれど渡した者が本當のことをいつたかどうか確かめられたし)死体はモルモットとともに焼却すべし、灰と骨は肥料として農家に賣却すること(そこから生えた木が金のなる木か、金を吸う木なら結構)
二、望みつつ心安けし散るもみじ理知の命のしるしありけり
三、出資者諸兄へ、陰徳あれば陽報あり、秘匿なければ死亡あり、お疑いあればアブハチとらずの無謀かな、高利貸冷たいものと聞きしかど死体さわれば氷カシ(借自殺して仮死にあらざる証依而如件)
四、賃借法すべて青酸カリ自殺晃嗣、午後十一時四十八分五十五秒呑む、午後十一時四十九分......(この後に5・6文字ばかり続くものの、判読不可能)
1949年11月24日死去(享年26)