フローレンス・ジョイナー

フローレンス・グリフィス=ジョイナー(Florence Griffith-Joyner 1959年12月21日生)
 [アメリカ・陸上競技選手]



 カリフォルニア州ロサンゼルス出身。カリフォルニア州立大学ノースリッジ校を卒業後、1988年のソウルオリンピックで100m、200m、400mリレー走で金メダルを獲り3冠を達成した。長く伸ばした爪に鮮やかなマニキュアをつけ、長い髪の毛をそのまま伸ばした髪形でも話題を呼んだ。


 ソウルオリンピックが終わった後、キャリア絶頂にして29歳で第一線の競技から引退した。そして1998年9月21日、カリフォルニア州の自宅で心臓発作を起こし、38歳の若さで急死した。


 生前からたびたび薬物疑惑がかかっていた。ステロイド等の薬物を使っているのだろう、という疑惑である。その理由としては、
・1980年代半ばまではトップクラスではなかったのに、1988年に急激に成績が向上した。
・1980年代半ば以降に、急激に体つきが変化した。
・この当時はドーピング検出システムの精度が低かった。
・筋肉が異常に隆起して血管が浮き上がっており、およそ女性らしくなくて、ほとんど男性化した体躯であった。
・女性らしさを強調した奇抜とも言えるファッションもドーピングによる男性化から目をそらさせるためではないかと言われている。
・TVインタビューの際には女性らしい声をしているが、誌面インタビュー経験のある複数の人が、「地声はとても低く、普通の女性の声とは思えない」ということを述べている。声の男性化は、ドーピングをした女性にしばしば指摘される点である。
・29歳という早い引退は年々厳しくなるドーピング検査から逃げるためという説がある。引退の翌年からドーピング検査が強化されることが予告されていた。
・38歳という早すぎる死はドーピングの副作用である可能性がある。ただし、死亡時の検死によると、死因は「てんかん発作による窒息死」であり、心臓は正常だったとも伝えられている。


 ジョイナーの持つ2つの世界記録はいずれも達成から30年以上が経過したが、競技レベルやスパイクシューズ、陸上トラックの質が格段に向上した現在においても肉薄する記録すら存在しない。


 1998年9月21日死去(享年38)