菜摘ひかる

菜摘ひかる(なつみひかる 1973年生)
 [風俗嬢/作家]



 高校時代から美少女漫画雑誌の常連投稿者となり、塩山芳明が編集する雑誌などでコラム、漫画等を執筆。

 高校三年で家を出てアパレル業界で働いた。その後、水商売を経験後、風俗嬢として働く。職種はSMクラブ、イメクラ、性感マッサージ、ホテトル、ソープランドと多種多様。エロ本のヌードモデルやマニア向けアダルトビデオのモデルもしていたが、1996年に撮影のため街中で全裸になったとして公然わいせつ罪で逮捕、略式起訴されて罰金刑を受けたのを機会にモデル業からは引退した。

 1998年頃、大手商用パソコン通信サービスPC-VANの事務局直轄フォーラム「わかばマーク(WAKABA)」やSIG「SFデーターボックス(SFDB)」において、ハンドルネーム「ともみ」で活動。のちに『風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険』などで描かれることとなる風俗嬢としての経験などを披露し、少なからぬファンから支持された。このPC-VANでの活動によって、フリーライターの夏原武に知己を得て、ライター活動を行うようになった。

 一時期、結婚していた時期があった。友人からは「絶対こんないい人と別れてはダメ!」と念をおされていたらしいが、自分から別居を経て離婚に至った模様が作品中に書かれている。

 「流しの風俗嬢」として執筆を続け、漫画も描いた。風俗業界をやめてからも精力的に活動し、小説を発表するなど、作品のジャンルを広げていたが、精神的にも問題を抱えていた。買い物依存や神経症の症状から精神科にも通っており、今では禁止になっている「向精神薬の多剤処方」を受けていた。毎日デパートで化粧品を買ったり、洋服を買う依存を繰り返していた。


 2002年途中から薬の副作用と思われる症状で徐々に体を弱らせていき、2002年11月4日、29歳で急逝。死後、「自殺説」や「子宮頸癌説」など、さまざまな憶測がなされたが、死因は「体調の急変」とだけ発表されており、近親者のみで葬儀が執り行われた。正確な死因は謎である。


 2002年11月4日死去(享年29)