デュオ・クロムランク

パトリック・クロムランク(Patrick Crommelynck 1942年生)と桑田妙子(くわたたえこ 1945年生)
 [ピアニスト]



 デュオ・クロムランク(Duo Crommelynck)は1974年から1994年まで活動を続けたベルギーのアンサンブル。ベルギー人のパトリック・クロムランクと日本人の桑田妙子が結成したピアノの二重奏団である。

 二人はウィーンで出逢い、1974年に結婚すると、デュエットとして活動を始めた。二人は幅広く演奏活動を行ない、数多くの作曲家から作品を献呈された。

 デュオ・クロムランクは、スイスのレーベル「クラーヴェス」にたくさんの録音を遺した。オーリックやビゼー、ブラームス、ドビュッシー、ドヴォルジャーク、フォーレ、メサジェ、ミヨー、プーランク、ラヴェル、シューベルト、スメタナ、ヨハン・シュトラウス2世、ピョートル・チャイコフスキーの作品をレパートリーとし、中でもチャイコフスキーの『悲愴』やドヴォルジャークの『新世界』ならびにスメタナの『わが祖国』の、2台ピアノ用の編曲による録音が名高い。

 モーツァルトの、未完成の作品や断片をすべて録音してCD化したことでも知られている。シューベルトの4手用ピアノ曲の3枚の音盤は、アカデミー・シャルル・クロよりディスク大賞を獲得した。

 クラシックの演奏家では前例のないことだが、活動の頂点にあった1994年7月14日に、二人は自らブリュッセルで命を絶った。すでに二人の関係は破綻していたらしく、それを苦にしたクロムランクが先に自殺した。桑田は、変わり果てた姿のクロムランクを発見し、後追い自殺を決行した。

 1994年7月14日死去(パトリック・クロムランク 享年52)(桑田妙子 享年49)