クリス・ヘンリー

クリス・ヘンリー(Chris Henry 1983年5月17日生)
 [アメリカ・アメリカンフットボール選手]



 高校時代には州のチャンピオンシップゲームでルイジアナ・スーパードームでプレーしたこともある。ウェストバージニア大学に入学し1年目は練習生であったが2003年には41回のキャッチで1006ヤードを獲得、10タッチダウンをあげた。2004年には52回のキャッチで872ヤードを獲得、大学タイ記録となる12タッチダウンをあげた。シーズン終了後、大学史上3人目となる1回あたりのキャッチ20ヤード以上、史上2位の22タッチダウンなどの成績を残して2005年のNFLドラフトにアーリーエントリーすることを発表した。

 2005年のドラフト3巡目でシンシナティ・ベンガルズに指名されて入団し9月18日のミネソタ・バイキングス戦でデビューを果たした。この年31回のキャッチで422ヤードを獲得、6タッチダウンをあげた。新人WRとしての6タッチダウンは1985年のエディ・ブラウンが8タッチダウンをあげて以来実に20年ぶりのことであった。

 2006年1月30日、銃の不法所持によりフロリダ州オーランドにあるナイトクラブの外で逮捕された。4月29日にはケンタッキー州コビントンのホテルで未成年の3人の少女と飲酒を行い、18歳の少女は性的暴行を受けたと警察に届け出たが彼女は後に発言を撤回、罰金を受けた。6月3日、オハイオ州のハイウェイパトロールの検問を受けて酒気帯び運転をしていたことが明らかになった。2006年10月6日、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルによって定めたリーグのポリシーにより2試合の出場停止処分が課された。

 2007年、リーグのポリシーに従い開幕から8試合出場停止処分を受けた。第10週のボルチモア・レイブンズ戦で復帰、4回のキャッチで99ヤードを獲得、翌週のアリゾナ・カージナルス戦では8回のキャッチで81ヤードを獲得、1タッチダウンをあげた。この年彼の成績は21回のキャッチで343ヤード獲得にとどまった。

 2008年3月31日、18歳の男性を殴り、ビール瓶を彼の車に投げつけて逮捕された。4月3日ベンガルズから解雇され6月にはNFLから無期限出場停止処分を受けた。しかしT・J・フーシュマンザーデ、チャド・ジョンソン、アンドレ・コールドウェルが負傷したためベンガルズと8月18日に2年契約を結びチームに復帰した。

 2009年、ボルチモア・レイブンズ戦で20ヤードのキャッチをした後、前腕を骨折し故障者リストに入った。

 同年12月16日、彼は6年間交際していた婚約者が運転するトラックの荷台から転落。病院に運ばれたが、翌12月17日に死亡した。自宅で婚約者と口論となり、婚約者が車で走り去ろうとしたとき、ヘンリーが荷台に飛び乗ったが、何らかの拍子で転落したという。検死により頭蓋骨の亀裂骨折、脳内出血が死因と判断された。

 翌週のNFLの全試合で試合のキックオフ前に黙祷が捧げられ20日のサンディエゴ・チャージャーズ戦からはチーム全員がヘルメットに彼の背番号15をつけて試合に臨んだ。

 なおその後の警察の捜査の結果、婚約者が無謀な運転やスピード違反を犯した形跡がないこと、目撃者の証言などから彼女は起訴されないこととなった。

 2009年12月17日死去(享年26)