妹尾松子

妹尾松子(せのおまつこ 1899年5月26日生)
 [女優]



 秋田県生まれ。1921年、松竹蒲田を経て、1922年日活向島に入社し、田中栄三監督『髑髏の舞』『三人妻』などに助演。関東大震災後日活京都に移り、溝口健二監督『峠の歌』で大役を得た。以後『彼女の運命』『曠野を行く』『父は何処に』『妖怪の棲む家』『岩見重太郎』『熱血の刃』『黎明の唄』など数々の映画に助演、短い期間ながら日活では酒井米子、沢村春子に次ぐ妖婦型女優として活躍した。

 1928年、東亜キネマに転じ脇役をつとめたが、翌1929年、東亜の親会社(八千代生命)が映画製作事業から撤退、1932年に東亜キネマは製作事業をついに断念。その際放出され旅芝居の一座へ。その後、滋賀県彦根町で酒場「玉の家」を経営していたが、窮乏に苦しみ1933年8月縊死。この厭世自殺によって、映画史に永久に名をとどめることとなった。

 1933年8月31日死去(享年34)