田中実

田中実(たなかみのる 1966年10月27日生)
 [俳優]



 東京都出身。実家は、池上で焼き鳥屋「鳥よし」を営んでいたが、父親が死去したことにより店を閉めていた。東京都立雪谷高等学校卒業後、仲代達矢主宰の無名塾に入塾、1987年、日本テレビ系の大型刑事ドラマ『ジャングル』の若手刑事役でデビュー。

 1990年、NHKの連続テレビ小説『凛凛と』で主人公・畠山幸吉を演じて注目を浴びる。以降、TBS系で放送の昼帯ドラマ『温泉へ行こう』で人気を不動のものとし、2時間ドラマの常連役者となった。

 1993年に一般女性と結婚、婚約会見で「もしこれから仕事がなくなって、四畳半の部屋に住むことになっても、ついてきてくれるか」とプロポーズしたことを照れながら答えていた。その後、1男1女をもうける。2010年12月、オスカープロモーションに移籍。

 2011年4月25日、東京都大田区の自宅マンションで首を吊っているところをマネージャーと母親が発見し、病院に救急搬送されたが死亡が確認された。

 田中は25日、都内でテレビドラマの撮影予定だったが、現場入りの時間に現れないことを不審に思ったマネージャーが電話連絡。つながらなかったため、自宅マンション近くにある実家に連絡し、田中の母親と4階の部屋に入ったところ、窓の落下防止柵に結んだマフラーで首をつって座った状態だったという。母親が119番に通報し、マネージャーは人工呼吸を繰り返した。仕事先から駆けつけた妻と母親に付き添われ、救急車で近くの病院に搬送されたが、午後4時20分に死亡が確認された。遺書はなかったが、事件性はなく自殺とみられる。

 死の前日の24日にマネージャーが仕事について話をしたときには「特に変わった様子はなかった」という。ドラマなどの仕事を順調にこなしており、事務所側は「仕事のトラブルなどはなく、理由が思い当たらない」と困惑した。仕事も半年先まで予定があり、金銭的にも問題なく、健康だった。家庭面でも、妻と仲もよく子煩悩であったため、突然の死には謎が残されている。

 ただ自身の公式ブログ「トキトトキ」の4月11日付けエントリーで意味深なことを書いている。それまでの日記風の文体とは異なり、「空を見上げて考える時は何か良い事ありそうな気分 下を向いて考える時はどこか気持ちが沈んでるような…」「考えるから人間だって言っていたのは誰だっけ 考えるのは大好き 空を見上げて考えたい 空を見上げて考え続けたい」と綴っており、何らかの悩みを抱えていた可能性もある。

 2011年4月25日死去(享年44)