ピーター・オルワ

ピーター・オルワ(Peter Orwa 1949年5月2日生)
 [ケニア・プロボクサー/歌手]



 ンゲタ村に生まれ。ナイロビ大学卒業。大学では民族音楽を学び、その後、歌って踊ってジャンベを叩く「ピーター・バンド」のリーダーを務めた。1975年には来日し、1977年9月6日、日本ミドル級王者の工藤政志に挑戦し、それに敗れたのを最後に引退。このときは「ピーター南木」の名前で出場している。日本でも、プロボクサーとして、また歌手として活躍もあり、「わくわく動物ランド」のテーマ曲、サントリーオールドのコマーシャルソングなどを歌っていた。日本動物植物専門学院のケニア校校長を務めたこともあり、日本語も話せる。

 日本や船旅の客船の中でも講演・コンサートを行っていたことがあり、愛情やユーモアがある話し方には温かい人柄がにじみでていて、好評嘖々であった。晩年は体重は90キロを超え、ボクサー時代の面影はほとんどなくなっていたが、その丸々とした風貌がまた、愛嬌を生み出していた。大の親日派として知られており、ケニアと日本の友好交流組織「DUMA」にかかわる一方、著書『楽園ペポニ』において、ケニアと日本の共通点の多さについて触れた上で、自然との共生を力説している。「忍者ハットリ君」マニアであり、よく口真似をする。また、敬虔なカトリックのクリスチャンでもあった。

 2006年3月16日朝、ケニアの首都ナイロビ市内の自宅に強盗団が押し入り、銃で頭部と胸部を撃たれた。ナイロビ病院のICUで治療を受けていたが、同月22日、死去した。死亡するひと月前にはピーターバンドのメンバーとともにキベラスラムのマゴソスクールに訪れ、子供たちにジャンベの叩き歌い踊りを披露、最後に「かわいい子どもたち、みんなのことは神様が守ってくれているよ。神様どうかこの子どもたちをお守りください」と長い祈りを捧げたという。

 2006年3月22日死去(享年56)