エルヴェ・ヴィルシェーズ

エルヴェ・ヴィルシェーズ(Herve Villechaize 1943年4月23日生)
 [フランス・俳優]



 パリ生まれ。生まれつきの小人症で、母親はイギリス人だった。養子としてイギリス人の義母とフランス人外科医の義父に育てられたが、もともとの血筋はフィリピン系だった。フランスの芸術学校で学んだあとの1964年に渡米。テレビなどで英語を習得しながらニューヨークで、フォトグラファー、アーティストとして活動。後に演劇活動も開始して、サム・シェパードによるオフ・ブロードウェイ舞台などに出演した。

 1966年にカルト映画『Chappaqua』で映画デビュー。それからもいくつかの映画へ出演してキャリアを積んでいくが、なかなか俳優として芽が出ない日々が続き、生活も困窮。一時期は家賃も払えずに、ロサンゼルスにおいて車で生活するほどにまでなる。しかし、1974年に007シリーズの『007 黄金銃を持つ男』へ出演したあたりから徐々にその名も知られるようになった。同作品ではクリストファー・リー演じる悪者と共謀するニック・ナックを演じ、アジアロケに参加している。

 特にヴィルシーズのキャリアで知られているのは、リカルド・モンタルバンと共演したテレビシリーズの『ファンタジー・アイランド』。1977年からタトゥー役で出演して、1983年までの6年間で131エピソードに出演している。それ以外では、リチャード・エルフマンが監督したカルト映画『フォービデン・ゾーン』における地下帝国の王様ファウスト役でも知られている。オリヴァー・ストーンの長編監督デビュー作でもある『邪悪の女王』へも出演。テレビドラマにおいてもダニー・デヴィートらが出演するシットコム『Taxi』やゲーリー・コールマンや出演の人気ドラマ『アーノルド坊やは人気者』では本人役で出演した。

 1993年9月にハリウッドの自宅において拳銃自殺を図った。長年付き合っていたパートナーから発見され、すぐにカリフォルニア州にある病院へ運ばれたが、亡き人となった。自宅には遺書も発見されており、健康状態で悩んでいたと記されていた。最後に出演した番組はベン・スティラーがホストを務めた『ベン・スティラー・ショー』だった。

 1993年9月4日死去(享年50)