中山一也

中山一也(なかやまかずや 1956年1月20日生)
 [俳優]


 1983年、芥川賞作家である高橋三千綱が原作・監督した『真夜中のボクサー』の主演に一旦選ばれたが、台詞の言い回しを巡るトラブルから途中降板させられ、同年2月28日、東京都渋谷区のNHK西館7階のリハーサル室前の廊下にて、高橋の左股を果物ナイフで刺し全治10日間の怪我を負わせる。中山は駆けつけた代々木警察署の捜査員に傷害と銃刀法違反の現行犯で逮捕された。

 1987年4月7日、北海道富良野市にある脚本家の倉本聡の自宅前で刃渡り約5センチのナイフを自分の脇腹に刺し割腹自殺を図るが、倉本本人によって発見され未遂に終わる。調べでは仕事に行き詰まったのが原因だったとみられる。中山と倉本との間に面識は無かったという。

 1988年1月9日、松竹本社ビル1階にある映画館「松竹セントラル」に車ごと時速20キロで突っ込み、ガラス扉など5枚を破壊。器物損壊の容疑で緊急逮捕された。調べに対し、故意に突っ込んだ事を認めたが、理由については供述しなかった。しかしその後、「自分のような有望な俳優を使わない日本の駄目な映画界に一石を投じる為、もっと若い元気ある役者を使おう、というキャンペーンで突っ込んだ」と、自著やインタビューで述べている。


 黒澤明監督の映画『影武者』のオーディションに書類選考で落選して面接会場に趣き黒澤に暴言を吐く、『オレたちひょうきん族』に端役で出演した際に安岡力也と一触即発となる、税務署で暴力沙汰、など社会規範から逸脱した言動が多い。

 2004年に公開された『IZO』では、20年ぶりに主役を務め、自らを体現するような役柄である、江戸時代の有名な殺し屋・岡田以蔵を演じた。


 このように数々の事件や奇行を起こしてきたことから、俳優としてよりも犯罪者としての知名度の方が高く、ある意味で伝説的なカルト俳優となっている