伊藤和也

伊藤和也(いとうかずや 1976年11月19日生)
 [ペシャワール会職員]



 静岡県出身。大卒後の2003年、アフガニスタンの紛争・テロからの復興を目的とした活動をし続けていたペシャワール会に入会し自ら同国への派遣赴任を申し出た。

 伊藤は同会に提出した志望動機に「アフガニスタンの復興のためには農業支援が欠かせない」とした上で「語学ははっきりいってだめです。農業分野も経験や知識は不足しています。ただ私は、現地の人と一緒に成長して、アフガニスタンを本来の緑豊かな国に戻したい」と訴えた。ペシャワール会では1979年~2001年の一連の紛争・戦争などにより荒廃した国土復興のために、用水路建設や農地開拓といった復興支援を展開し、伊藤はその農業支援のカテゴリーのボランティア活動を行った。

 2008年8月26日午前6時30分頃、アフガニスタン東部に位置するナンガルハール州において人道支援活動を行っていた伊藤は、武装勢力テロリストのターリバーンにより拉致され、伊藤の仕事仲間だった村人やボランティアが捜索に当たった。そして、拉致された直後の26日午前6時40分頃、拉致された伊藤を近くの村民が発見し、ターリバーンを追い詰めた。その後、駆けつけたアフガニスタン政府の警備隊とターリバーンとの間で、激しい銃撃戦が繰り広げられ、拉致された伊藤は午後2時から3時の間に、パニックになったターリバーンに銃で攻撃された。その銃弾は左足大腿動脈を貫通し出血多量で死亡した。享年31。

 アフガニスタン政府に逮捕された容疑者は、動機について「金目当てで犯行を決意した」と供述した。没後、伊藤の両親が伊藤の意思を受け継ぎ、アフガニスタンなどテロ・戦争などで荒廃した国への復興支援のためのボランティア活動を志す人を支援するための「伊藤和也・アフガン菜の花基金」を設立した。

 2008年8月26日死去(享年31)