メアリー・ケイ・バーグマン

メアリー・ケイ・バーグマン(Mary Kay Bergman 1961年6月5日生)
 [アメリカ・声優]



 ロサンゼルス生まれ。両親はユダヤ系だが、彼女はローマカトリックを信仰していた。小学校から高校まで首席で卒業し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に入学。そこで舞台芸術を専攻し、3年時に自主演劇の配役を得たことをきっかけに大学を中退する。大学中退後、演技指導者のハリー・マストロジョージに師事。その後、400本以上のコマーシャル、アニメに出演。そして1989年、ディズニーの「白雪姫」の声にアドリアーナ・カセロッティの後任として抜擢される。その後、数々のディズニー映画に脇役ながら出演し、それらの地位を不動のものとし、白雪姫の声を演じ続けた。

 1996年、トレイ・パーカーとマット・ストーン原作の短編アニメ「Spirit of Christmas」に基づいたパイロット版を製作するにあたり、バーグマンが女性キャラクターの声に抜擢された。それぞアニメ「サウスパーク」である。1997年、「サウスパーク」はテレビアニメとしてコメディ・セントラルで本放映される。本作でバーグマンは幅広い声域を活かし、子供からお年寄りまで殆どの全女性キャラクターを彼女一人で担当して演じた。放送初回から彼女の名は「シャネン・キャシディ」と実名を伏せてクレジットされる。それには彼女自身の名前を伏せることにより自分を解放し、再発見したいという思いが込められていた。

 その後、「サウスパーク」は予想を超える莫大な人気を博す。そして、「シャネン・キャシディ」自体の人気も高まり、製作側が本当の事実を視聴者に伝える時が来たと感じた為、第2シーズンの途中から実名がクレジットされるようになる。1999年「サウスパーク/無修正映画版」が公開。その中で彼女は16の異なる声を演じ、挿入歌「ブレイム・カナダ」ではシーラ・ブロフロフスキーを始めとする異なる9の女性キャラクターの声でほぼ全パート歌う。彼女が歌った「ブレイム・カナダ」はアカデミー歌曲賞に、バーグマン自身はシーラ・ブロフロフスキー役としてアニー賞にノミネートされる。

 1999年11月11日、バーグマンはラジオにてディズニーランド45周年アニバーサリーのトークショーに出演。その日の晩、夫のディーノと友人のジョン・ベルに宛てて2通のメモを残し、ピストルで頭を撃ち、自らの命を絶った。メモには「もはや恐怖感をどうすることもできない」とあった。生前、彼女は重い鬱に悩まされていた。彼女の夫は全般性不安障害であったのではないかと考えている。

 彼女のウェブサイトは、訪問客が彼女の業績を偲び、しばらくの間ゲストブックとなった。現在、元のサイトは生前のままに復元されている。彼女の没後、自殺を防ぐ活動のために、「メアリ・ケイ・バーグマン記念基金」が創設された。

 1999年11月11日死去(享年38)