堤千代

堤千代(つつみちよ 本名:堤文子 1917年9月20日生)
 [小説家]



 東京生まれ。幼時より心臓に重い疾患を抱えていたため、学校には通えず、家で寝たきりのような生活の中で多数の小説を執筆していた。児童雑誌『赤い鳥』へ原稿を応募し、何度も入選した。1939年、小説誌『オール讀物』に投稿した「小指」が編集部の目に留まり掲載され、まもなく第10回の直木賞候補に挙げられるも受賞はならなかった。しかし、翌年の1940年第11回直木賞で再び候補となり、女性作家として初めて受賞した。22歳10ヶ月の受賞年齢は、現在でも直木賞の最年少記録である。

 受賞後も大いに筆をふるい、女性大衆作家の第一人者として数多くの作品を発表。1944年には大学生だった福留理一と結婚。理一は千代が脳血栓を併発して半身不随となってからは、献身的に彼女を看護し身の回りの世話をした。1955年11月10日、千代は38歳で早逝した。

 1955年11月10日死去(享年38)