村上幸子

村上幸子(むらかみさちこ 本名:鈴木幸子 1958年10月21日生)
 [演歌歌手]



 新潟県出身。1979年に『雪の越後を後にして』でクラウンレコードから歌手デビュー。1984年の『酒場すずめ』が人気を集めた。また、文化放送のラジオ番組『走れ!歌謡曲』のパーソナリティ(1986年4月~1988年3月)を務めるようになる。

 1988年にリリースされた『不如帰(ほととぎす)』を自らの勝負曲と位置づけたが、歌詞の一部が、当時昭和天皇が重体で「時期的にも適切な表現とはいえない」という理由から放送中止(自粛)になったという不幸なエピソードを持っている。『不如帰』の歌詞中に「血を吐く…」という形容の表現があったが、当時昭和天皇は下血・吐血を繰り返し、危篤と小康状態を往復していた。このことを気遣った演歌業界と放送局は、『不如帰』の放送をやむなく自粛した。

 1989年、不幸にも喉部に大豆状のしこりが見つかり、これが元で急性リンパ腫という重病にかかり入院。その間も『走れ!歌謡曲』のリスナーなどからの激励の手紙が多数村上のほうに寄せられたが次第に病状は悪化、1990年7月23日、わずか31歳という短い生涯を閉じた。故郷で行われた葬儀の出棺のときも、地域のしきたりで両親は火葬への同行を許されず、霊柩車が去るときには門前で号泣していたという。

 1990年7月23日死去(享年31)