ミット・チャイバンチャー(Mitr Chaibancha 本名:ピチェート・フムヘーム 1934年1月28日生)
[タイ・俳優]
検死の結果によれば、怪我は体のあらゆる部分に及んでおり、ほぼ即死の状態で、手首には深さ2cm長さ8cmの紐による外傷、右あご骨を骨折、右頬骨を骨折、右耳から出血、右肋骨5本を骨折、右大腿骨を骨折、上腕骨を骨折していた。翌日、タイのあらゆる新聞が一面でミットの死を伝え、その知らせは日本や香港、台湾まで届いた。ミットの遺体はケーナンルン寺に安置され、死後100日が経った1971年1月21日に王室主催の火葬の儀で荼毘に付され、数十万人の人々が参列したという。
ミットはその事故死に至る1971年まで300本以上の作品に出演し、16mm時代の黄金期に制作された映画の半数以上はミットの出演であった。しかし、ミット不在の映画からの観客離れや、16mmカラーの粗悪な二番煎じの作品が横行したこともあって、16mmカラー映画はタイ映画界から姿を消すこととなった。ミットはまさにタイ映画の歴史を動かしたスターであったと言える。
1970年10月8日死去(享年36)