ロジャー・ウィリアムソン(Roger Williamson 1948年2月2日生)
[イングランド・レーシングドライバー]
ウィリアムソンが事故に遭いマシンが炎上し、パーレイが救出しようと奮闘するが果たせず、レースを続けている他のドライバーに停車と救出への協力を求めるが無視され、目の前でウィリアムソンが焼死していくのが分かりながら肩を落として去る、という悲劇的な顛末は写真や映像として記録されている。後にパーレイは「あの時、彼はまだ生きていたんだ。僕に叫んでいた。『For God's sake, David, get me out of here!!(頼むから、デビッド、俺をここから出してくれ!!)』と」と語っている。
パーレイの英雄的な行動が大いに賞賛された一方、ほとんど有効な消火救出手段を講じず消防車が到着するのを待つだけだったコースマーシャルや、レースを赤旗中断しなかったレース主催者や、事故現場のすぐ脇を素通りしレースを続行した他のドライバーを非難する声もある。ただし当時のレースの現場関係者で耐熱性の高い服を着用しているのはパーレイ等ドライバー位であり、マーシャルには十分な装備が与えられていなかったという一面もある。事故後もレースを続行したドライバーの多くはパーレイをウィリアムソンだと勘違いし、炎上しているマシンのドライバーは無事に脱出できたと思っていたという意見もある。現在とはレース運営や安全性に関する意識が異なっていた時代であり、現在の基準でコースマーシャルや他のドライバー達の行為を評価するのは不当という意見もある。
ウィリアムソンの乗っていたマーチのロールバーを補強するステーが前方に伸びていた為に救出が出来なかったという意見があり、当時のマシンデザイナーは大きなショックを受けたと言われている。
1973年7月29日死去(享年25)