華ぼたん

華ぼたん(はなぼたん 本名:木下恒子 1927年12月21日生)
 [漫才師]



 和歌山県出身。浪曲師であった父親の影響で浪曲の世界に入る。6歳で初舞台を踏み、幼少時は「浪花の天才少女」と称された。吉田奈良千代門下で修行を積み吉田駒千代を名乗る。長じて大阪ミナミでギター流しをしていたところを歌謡浪曲カルテット『西川ヒノデショウ』のヒノデにスカウトされ、カルテットに加入。1956年にヒノデと結婚して二代目西川サクラになり、夫婦コンビ『西川ヒノデ・サクラ』で数年活動するが、離婚を期に独立。華ぼたんの名でヒノデの門下生だった華ばら、華あやめを誘って1961年10月に自らの浪曲漫才トリオ『フラワーショウ』を神戸松竹座で旗揚げした。

 ぼたんは浪曲で鍛えた喉で聴かせ、永年大看板を張るが、次第に仕事が減ってきてリーダーとしての責任を感じた末に鬱病をこじらせ、1989年5月に琵琶湖で入水自殺を遂げた。釣り人が着物姿のぼたんが浪花節を大きな声で叫ぶように歌いながら入水する姿を目撃していたという。

 1989年5月29日死去(享年61)