宮田美乃里

宮田美乃里(みやたみのり 1970年11月23日生)
 [歌人/ダンサー]



 静岡県生まれ。大学を卒業後、フラメンコダンサー兼講師として活躍していたが、病気により引退。その後、歌人であった祖母の影響もあってか、20歳のころにはじめた短歌をふたたび読み始める。

 2002年、春に第一歌集『花と悲しみ:魂の軌跡』を出版するが、同時期に左乳房に癌が発見される。最初は乳房温存療法を受けようと考えていたが、多くの病院を訪れそれが困難と知る。末期ではなく治療によって治癒する可能性があるにもかかわらず、彼女は治療をしないという選択をする。この生き方が新聞や雑誌で取り上げられ、大きな反響を呼び、賛否が分かれた。

 2003年、癌の進行により、乳房を維持することが困難となり、左乳房を切除する手術を受ける。

 2004年、写真家の荒木経惟に、「先生、片乳房の無い私の裸体を撮っては頂けないでしょうか」との手紙と歌集を送り、手術の跡の残るヌードを披露し、写真集『乳房、花なり。』を出版。

 荒木経惟によると、この頃から心境に変化が起こりはじめ、生きることへの意欲も少なからずわいてきていたというが、すでに癌は全身に転移しており、手の施しようがない状態であった。病床でも彼女は短歌への情熱を持ち続け、亡くなる前日まで数多くの作品を書き記した。2005年3月28日、午前6時22分逝去。

 2005年3月28日死去(享年34)