津野米咲

津野米咲(つのまいさ 1991年10月2日生)
 [ミュージシャン]



 祖父は作曲家の津野陽二、父も同じく作曲家のつのごうじ、祖母は宝塚歌劇団出身、母はピアノ、上の兄はギターを弾けて、2番目の兄はドラムを叩けるという、音楽一家に育った。音楽を始めたきっかけは3、4歳から習っていたエレクトーンで、ギターは高1から始めた。両親や兄の影響でたくさんの音楽を聴いて育ち、幼少期にはカーペンターズ、サイモン&ガーファンクル、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ペイヴメント、小田和正、松任谷由実、Mr.Childrenなどのポップスだけでなく、チャイコフスキーやドビュッシーなどのバレエ音楽も聴いていた。

 2010年、高校の後輩が結成したロックバンド「赤い公園」に、脱退した初代ギタリストの後任として加入する。当初はサポートメンバーとしてかかわっていたが、次第にメンバーと一緒に音楽をやることが楽しくなり、正式加入したという。地元東京都立川市のライブハウス「立川BABEL」を拠点に活動を開始。2011年1月、自主制作のデモ音源「はじめまして」を発売。同年3月、自主制作によるミニ・アルバム「ブレーメンとあるく」を発表。同年10月、NATSUMENやチーナなど、日本人アーティストとともにカナダで開催された『Next Music from TOKYO vol 3』に参加、注目を集める。複数のレコード会社による争奪戦の末にEMIミュージック・ジャパンと契約。

 2012年2月15日、EMIミュージック・ジャパンよりミニアルバム「透明なのか黒なのか」をリリース、メジャーデビューを果たした。同年10月9日、津野の体調不良により当面の間、赤い公園の活動を休止することを発表。2013年3月1日、Ustreamに出演して赤い公園の活動を再開することを発表。同年6月5日発売のSMAPの50枚目のシングル「Joy!!」の楽曲提供により、一躍名を上げる。

 2017年8月、赤い公園のボーカル担当の佐藤千明が脱退。2018年5月4日、『VIVA LA ROCK 2018』に出演し、新ボーカルを元・アイドルネッサンスの石野理子が務めることを発表した。石野の加入に伴い、同年より津野、藤本、歌川の3人は石野の所属事務所であるソニー・ミュージックアーティスツに移籍した。

 2020年5月25日、公式サイトにて谷口鮪(KANA-BOON)とユニット「wasabi(谷口鮪×津野米咲)」を結成。同年6月22日、自宅でレコーディング、制作した楽曲「sweet seep sleep」のMVをYouTubeにて公開した。同日にストリーミングサイト等で楽曲配信を開始した。

 2020年10月18日午前9時頃、東京都杉並区の自宅で倒れていたところを発見され、病院に搬送されたが、死亡が確認された。遺書などは見つかっていないが、現場の状況から自殺とみられている。彼女は亡くなる数日前にラジオやテレビに出演していたが、音楽への愛着を語るなど、普段通りで特に変わった様子は見られず、突然の訃報に多くの関係者に戸惑いと悲しみが広がった。

 2020年10月18日死去(享年29)