さんまの名探偵


 1987年4月2日にナムコ(現バンダイナムコゲームス)から発売された『さんまの名探偵』というファミコンソフトがある。タイトルにもなっている明石家さんまの他、吉本興業の実在の芸人がゲーム中に数多く登場するミステリーアドベンチャーゲームである。このゲームには死にまつわる興味深いエピソードがある。



 ゲームのオープニングは、落語家の桂文珍が「なにをするんだ、やめろ!!」と叫んだあと、「ギャーー!!」と悲鳴をあげ、何者かに殺害されるシーンからスタートするのだが、実は文珍は本作に自身が出演していることを全く知らなかったという。自身の出演の旨を知った文珍は、「出演料は欲しいがまともに掛け合ってもいなされる」と思いつつも、所属する吉本興業に「わて、死んでるみたいやけどお香典もらえませんやろか」と機転を利かせた催促を行い出演料を得たという。

 また、後に暴力団との交際が原因で芸能界を引退した島田紳助の予言のような発言がゲーム内で発見され話題となった。問題のシーンは、さんまがしんすけに対して「しんすけゆうたらやくざや」と、まるで引退騒動を予言したかのようなセリフを発言している。ゲームの終盤では、『せけんのひとにもうしわけたたんからしんでおわびする』と言い残し、しんすけは自殺を図ってしまうが、このストーリーが現実のものにならないよう願うばかりである。