尾上辰之助(初代)

初代尾上辰之助(しょだいおのえたつのすけ 本名:藤間亨 1946年10月26日生)
 [俳優/歌舞伎役者]



 東京出身。1946年、二代目尾上松緑の長男として生まれる。1952年2月、歌舞伎座『伽羅先代萩』の鶴千代で、初代尾上左近を名乗り初舞台。1965年5月、歌舞伎座『寿曽我対面』の五郎、『君が代松竹梅』の松の君で、初代尾上辰之助を襲名。同世代の四代目尾上菊之助(七代目菊五郎)・六代目市川新之助(十二代目團十郎)とは共演する機会も多く、特に1960年代後半には「三之助」と呼ばれて人気を集めていた。1976年、芸術選奨新人賞受賞。

 歌舞伎界において屈指の酒豪として有名で、青年時代にはウイスキーのボトルを1本丸々空けた逸話もある。だが、この酒好きが祟り、後に自らの命を奪うこととなってしまう。1986年2月、アルコール性肝炎による吐血などで入院、この頃から病魔に蝕まれる。6月に退院、11月舞台復帰。

 1987年1月、『毛抜』の粂寺弾正をつとめるが、これが最後の舞台となる。3月18日、自宅で倒れて入院、それから10日後の3月28日、肝硬変による食道静脈瘤破裂のため死去した。

 1987年3月28日死去(享年40)