テリー・フォックス

テレンス・スタンレー・フォックス(Terrance Stanley Fox 1958年7月28日生)
 [カナダ・義足ランナー]



 カナダでは知らぬ者はいないとまで言われるヒーローである。彼はマニトバ州ウィニペグで生まれ、バンクーバー近郊のポートコキットラムで育った。サイモンフレーザー大学の学生で、バスケットボール部で活躍していた1977年、右ひざの痛みで医者にかかったところ、それが骨肉腫であることが判明。

 骨肉腫で右足を切断した後、がん研究資金を募るために、1980年4月12日、ニューファウンドランド州のセント・ジョンズから「希望のマラソン」(Marathon of Hope)を開始した。鉄のような固い意志で、北アメリカ大陸を横断してバンクーバー島のポートレンフリューを目指し、義足をつけて毎日フルマラソンと同じ42kmを走り続けた。目標は完走と100万ドルの募金を集めることだった。

 しかし143日目の9月1日、5373kmを走ったところで、癌の肺への転移のためオンタリオ州サンダーベイ付近でマラソンを断念し入院。翌年の1981年6月28日、テリーは22歳の若さでこの世を去った。

 彼の遺志を継ぎ1981年9月以来毎年、がん研究資金を募るチャリティーイベント「Terry Fox Run」が世界中で開催されている。

 2005年、挑戦25周年記念1ドル硬貨が発行された。また、テリー・フォックスにちなんで名付けられた施設が数多くあり、出身地ポートコキットラムにあるTerry Fox Secondary School、オタワにある陸上競技場Terry Fox Stadium、オタワの公共交通機関OCトランスポのTerry Fox Station、カナダ沿岸警備隊の砕氷船CCGS Terry Foxなどがある。

 1981年6月28日死去(享年22)