マルク・ヴァイル

マルク・ヤコフレヴィチ・ヴァイル(Mark Yakovlevich Weil 1952年1月25日生)
 [ウズベキスタン・演出家]



 タシュケント出身。彼の両親はウクライナ系ユダヤ人であり、1930年代にウズベキスタンへと移住してきた。彼の父は兵士であり、母はキエフの演劇研究所を卒業していた。1972~1975年にかけて、レニングラード・ボリショイ・ドラマ劇場のゲオルギー・トフストノーゴフ、タガンカ・モスクワ・ドラマ・コメディ劇場のユーリ・リュビーモフの下で学ぶ。1976年、タシュケントにて、ソ連初の独立劇団としてイルホム劇場を創設。その先鋭的メッセージは「不同意の演劇」と呼ばれて全国に知られ、初めてのモスクワ公演が一大スキャンダルとなった。1993年には国際演劇フェスティバルを開催するなど、海外との交流も活発に行った。

 彼の最後の演出作品はギリシア悲劇のオレステイアであった。彼はこの演劇の公演が始まる前日(2007年9月6日)に殺害されたが、役者たちは興行のため舞台に立つことになった。彼は自宅のあった区画の入口のロビーで刺殺されていた。彼は見知らぬ2人組の男に襲われ、頭部をビンで殴られた後、腹部を刺された。犯人は殺害後逃走した。

 2007年9月7日死去(享年55)