藤田陽子

藤田陽子(ふじたようこ 1919年7月25日生)
 [女優]



 東京生まれ。1923年4月、姉・房子と共に松竹蒲田撮影所に入社。同年公開の野村芳亭監督の『母』でデビューした。その後も出演を続け、1926年の『曲馬団の姉妹』(斎藤寅次郎監督)で小桜葉子と共に主演。この頃の松竹では、高尾光子、小藤田正一、小桜らの子役が評判を集めていて、藤田姉妹も彼女らに負けない人気を保っていた。ただ、姉妹2人では陽子が人気を一歩リードしていた。1933年公開の日本初のトーキーアニメ『力と女の世の中』に声の出演をする。

 1934年に子役から一般女優に昇格したが、この年の終わりに姉と松竹を退社。1935年、姉・房子とともに笑の王国に参加。約一年ほど活動ののち、1936年10月には姉妹ともに退団する。房子はその後古川ロッパ一座に入団するが、陽子は病気療養のため引退。その後時期ははっきりしないが、東宝発行所の雑誌『エスエス』1939年11月号の記事で「陽ちゃん(陽子)は、若く美しくして亡くなりましたので…」とあり、2007年に出版された「古川ロッパ昭和日記」1938年11月24日の文中によると「藤田房子、妹(陽子)危篤とて東京へ帰ってしまひ」とあるのでこの日以降間もなく没したと思われる。

 1938年?月?日死去(享年19)