田尻賢一

田尻賢一(たじりけんいち 1971年生)
 [強盗殺人犯]



 田尻は風俗やパチンコなどの交遊費でサラ金からの多額の借金を抱え、毎月の返済に困窮。そこで、裕福な家に目を付けて強盗を計画した。

 2004年3月13日昼、熊本県宇土市の医院長宅にぜんそくを装ってドアを開けさせ侵入し、妻(当時49)の頭や顔をスパナで殴るなどして殺害し、居間のタンスを物色したが現金を見つけることができなかった。

 2011年2月23日午後6時10分頃、熊本市に住む会社役員の男性宅で「車を家の壁にぶつけた」などとうそを言って、男性の妻(当時65)に玄関のドアを開けさせ、妻の顔や首、背中などをバタフライナイフで刺して殺害。現金10万円や商品券2万円分を強奪した。さらに午後6時30分頃、帰宅した男性の胸や脇腹などを複数回刺して、全治1ヶ月の重傷を負わせた。

 その後、宇土市の現場付近で目撃された車と同じ緑色系の乗用車に田尻が当時乗っていたことが判明。二つの事件の手口が似ていることから、県警が田尻を追及したところ、3月23日になって殺害を認めた。24日、奪ったバッグの中にあった財布や事件時に身につけていたとみられる着衣の一部、鈍器が、田尻の供述通り熊本市富合町の山中から見つかったため、26日に逮捕された。

 第一審は裁判員裁判で行われ、2011年10月25日に熊本地方裁判所は死刑判決を言い渡した。田尻は控訴したが、2012年4月11日に福岡高等裁判所で控訴が棄却された。同年9月10日に最高裁への上告を取り下げ、田尻の死刑が確定した。2016年11月11日、金田勝年法務大臣の執行命令に基づき福岡拘置所において田尻の死刑が執行された。

 2016年11月11日死去(享年45)