バック・ジョーンズ

バック・ジョーンズ(Buck Jones 本名:チャールズ・フレデリック・ゲプハルト 1891年12月12日生)
 [アメリカ・俳優]



 インディアナ州ヴァンセンヌ生まれ。輪郭のはっきりした美貌、濃茶色の髪の俳優であった。20年間にわたり、併映作品の西部劇で人気を保持した。アクションと、田舎者風のコメディリリーフを、ともども引き受けることが多かった。ロデオショーでの長い経歴を誇る。

 1942年、ココナッツグローブ火災に巻き込まれ死亡した。1942年11月28日夜、ボストンのナイトクラブ「ココナッツグローブ」(地階)内にある装飾物の椰子の木から出火。出火直後に従業員は協力して初期消火を試みるも、火の勢いが強かったため消火が出来ず、慌てて椰子の木を移動させようとした為に倒してしまい、火炎が急速に拡大してしまった。たまたまその週は感謝祭の連休中に当たり店内は客で混雑していた(会場の収容定員を上回っていた)。パニックとなった大勢の客が出口へと殺到したが、正面玄関の回転扉が客で詰まってしまい、まったく回らない状態となった。消防隊員が現場に到着した時は猛烈な火が建物を包んでおり、客の救出作業どころか消火作業もままならず、延焼を防ぐのが精一杯だったと言う。このため「ココナッツグローブ」は全焼し、492人が死亡する大惨事となった。客の多くは燃焼時に発生した有毒ガスによる中毒死であったが、出口に殺到した際に発生した将棋倒しで圧死した者も多かった。出火原因は諸説あるが、16歳のウェイターの少年が電球の取り付けを行う際に擦ったマッチの火が引火したのではないかと考えられている。

 ジョーンズは火災の2日後に、搬送先の病院で死亡している。長い間、火災で逃げられない人を助けようとして負った火傷が原因で亡くなったと考えられてきたが、現在では彼は火の中に閉じ込められたことが知られている。

 1942年11月30日死去(享年50)