天野香久子

天野香久子(あまのかくこ 本名:奥村こと子 1904年3月7日生)
 [タカラジェンヌ]



 大阪府出身。特技はダンス。花組主演男役クラス。1916年、宝塚歌劇団4期生として、宝塚少女歌劇団に入団。初舞台の公演演目は1918年春季公演の『一寸法師』であった。この芸名は小倉百人一首の第2番:持統天皇の『春過ぎて 夏來にけらし 白妙の 衣乾すてふ 天香具山(はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま)』から命名された。

 在団中は天才的なバレリーナといわれていた。『血染めの舞踏靴(トゥシューズ)』という、天野香久子にまつわる話がある。天野が在団中には立派なトゥシューズはまだ無くて、直ぐに折れそうな粗悪なトゥシューズしか無かった。けれども、天野は平氣でその粗悪で危険なトゥシューズを履いて日夜猛練習を重ねていたために、いつも足の爪が破れて、真っ赤な血が粗悪で危険な白色のトゥシューズをどろどろに彩っていた。天野がトゥシューズで歩いたあとは血で床に印がついたという。

 1927年6月頃、宝塚少女歌劇団を23歳で退団。その後、自ら命を絶ったといわれている。

 19??年?月?日死去(享年??)