山田かまち

山田かまち(やまだかまち 1960年7月21日生)
 [画家/詩人]



 群馬県出身。幼少より絵画の才能を発揮する。中学3年生の頃からビートルズなどのロックに傾倒。同級生であり後にミュージシャンとして活躍する氷室京介とバンドを組んだこともあった。

 高校受験に嫌気が差し、16歳の1年を浪人として過ごす。群馬県立高崎高等学校1年生の17歳の時、自宅でエレキギターの練習中に死去。このエレキギターは17歳の誕生日にプレゼントとして贈られたものであった。死因には感電事故、自殺など諸説があるが遺族らの意向により公表されていない。没後、母親が出版した本には「改造したエレキギターの電源コードが原因の感電死」と記されており、一般にはこの説が流布しているが、この本は様々な点で創作箇所があると指摘されている。

 「かまち」の名前の由来は、終戦直後に両親が読んだ歴史小説の主人公の名前である。その歴史小説は、「鹿麻知(かまち)」という少年が、石器時代を舞台に活躍するというものであり、両親は「終戦直後であったので、この少年のように新しい時代を強く生きるように」という願いをこめた。また、「かまち」のひらがな表記の理由は、「かまち自身が自由に漢字をあてられるように」という意図がある。

 死後、保管されていた詩を書き付けたノートやデッサン水彩画を、母親や恩師などが中心となり詩集や画集として出版、一躍注目を集める。個展なども開かれた。これを機に、1992年に高崎市片岡町に「山田かまち水彩デッサン美術館」が設立された。残された詩、デッサンに対する評価は定まっていないが、一部マスコミによる「夭折した天才」という偶像化には批判の声も多い。

 中学校認定の国語教科書や高校認定の現代社会・美術・英語教科書に彼の詩や絵画が掲載されている。2004年には彼の人生が映画「かまち」として映画化された。

 1977年8月10日死去(享年17)