チャン・ジャヨン

チャン・ジャヨン(張子妍 1980年1月25日生)
 [韓国・女優]



 全羅北道井邑市出身。1999年に交通事故で両親が死に、姉や弟と共に暮らしてきた。2006年にテレビコマーシャルに出演して、女優デビューを果たす。韓国放送公社のテレビドラマ『花より男子』に出演、ヒロインのクム・ジャンティに敵対する女の子の三人組のうちの一人サニーを演じてブレイクした。友人や家族によると、彼女は契約会社との契約内容に納得していなかったと語っており、『花より男子』でヒロインをいじめる役柄を演じることに対しても不満を持っていたという。彼女は鬱を患い苦しんでおり、前年より投薬治療を受けていた。

 2009年3月7日『花より男子』放映終了する3週間前に、彼女は京畿道城南市の盆唐区にある自宅で首を吊っているのが発見された。その日の午後3時30分には自分の姉に電話をかけ、ストレスがたまっていると愚痴を漏らしており、また死にたいとも言っていたという。彼女の姉は電話を切った後、彼女のことが気になり家に向かったものの、家に着いた午後7時42分には彼女は自宅の階段の手すりより首を吊って自殺していた。その日に彼女のホームページには死を悼んだファンがおよそ250000人訪れたとされ、翌日にはさらに700000人もの人が訪れた。3月9日、ソウル大学病院に設けられているホールで彼女の葬式が行われ、『花より男子』の共演者などが集まり、彼女を哀悼した。彼女は火葬された後、両親と同じ全羅北道井邑市にある墓へと埋葬された。

 自殺する1週間前にはマネージャーに手紙を渡しており、それによれば彼女は所属事務所より番組プロデューサーや番組の広告主である企業の重役に対して接待を強要されていたとしている。手紙には彼らの実名が記載たほか、接待の内容としてゴルフや酒の席などのみならず、枕営業(性的接待)をも強要されていたと綴られている。これに対して所属事務所側はありえないと否定をしている。ことがテレビで放送された後、元マネージャーは自宅で自殺を図っているものの、病院に運ばれ未遂に済んでいる。

 4月2日、事務所のキム代表に対して逮捕状が出された。6月24日、日本に逃亡していたキム容疑者は逮捕され、韓国に強制送還されたが、7月22日には出席保証金2億ウォンを納入する条件で釈放されている。また、接待を強要したとされた事件捜査対象者20人の中で7人を起訴意見、残り13人を不起訴意見とし、特別な問題意識なしに慣行的に行為をした当事者らの記憶が薄れており客観的資料も大部分滅失されたとして容疑を立証できる証拠もないため全員不起訴と発表した。2011年3月16日、チャンのものと思われていたメモの原本を筆跡鑑定したところ本人の筆跡と合致しないと韓国の国立科学捜査研究員が発表、捜査当局が筆跡鑑定した結果、チャンの幼なじみと称する男性の筆跡と一致したと発表した。

 2009年3月7日死去(享年29)