マイケル・フィンドレイ

マイケル・フィンドレイ(Michael Findlay 1938年生)
 [アメリカ・映画監督/映画製作者]



 マイケル・フィンドレイは、彼の妻ロベルタ・フィンドレイと共に多数のセクスプロイテーション映画を監督・製作した。1960年代で最も知られる仕事は、悪名高い『Flesh』三部作(1967~1968年)である。『The Touch of Her Flesh』、『The Kiss of Her Flesh』、『The Curse of Her Flesh』は、いずれも監督はジュリアン・マーシュ名義となっており、フィンドレイ自身が主人公の殺人鬼、リチャード・ジェニングスを演じた。

 夫妻は1971年に予算節約のためアルゼンチンで『スローター(Slaughter) 』という映画を撮った。これは公開できるレベルの作品では無かったため、数年間、配給会社モナーク・リリーシングの倉庫に眠っていた。同社のオーナー、アラン・シャックルトンは『スローター』からタイトル・クレジットを全て取り除き、主演女優が撮影班に惨殺されるという5分足らずの新たな結末を付け加え、タイトルを『スナッフ/SNUFF』と改題して公開した。夫妻としては作品を勝手に利用される形となったが、シャックルトンの本物のスナッフフィルムであるかのように喧伝する巧妙な戦術により、皮肉にも『スナッフ/SNUFF』は夫妻にとって最も成功した映画となった。

 「あなたの目と鼻の先で熱い行為が繰り広げられるスーパー3Dポルノ」と銘打たれた、1976年のハードコアポルノ映画『Funk』のために、フィンドレイは携帯用の3Dカメラを発明した。まさにこのカメラをヨーロッパに売り込もうと、ジョン・F・ケネディ国際空港に向かう途中で、フィンドレイは事故に巻き込まれ帰らぬ人となった。

 フィンドレイは1977年5月16日、ジョン・F・ケネディ国際空港に向かうため、ニューヨークのパンナムビル屋上にあったヘリ発着場にいた時、ニューヨーク・エアウェイ社のヘリコプター(シコルスキー S-61)がローターがまだ回転している内に転倒し、ヘリを待っていた他の3人の客と共にローターに巻き込まれ死亡した。また、ビルの周辺に飛んでいったローターの破片により、マディソン街と43番通りの角にいた歩行者の女性1人が死亡している。事故の原因は、ビルに着陸しようとしたヘリコプターの降着装置が金属疲労によって故障し、バランスを崩して横転したとみられている。

 パンアメリカン航空の本社ビルであったパンナムビルは、ジョン・F・ケネディ国際空港へのヘリコプター運航サービスでも知られ、屋上のヘリポートから7分で空港まで行くことができた。しかし、事故を契機にこのサービスは終了してしまい、その後、パンナムビルのヘリポートは使用を取りやめられた。

 1977年5月16日死去(享年39)