リー・スミス

リオン・スミス(Leon Smith 1942年生)
 [カナダ・タレント]



 父親のフランク・S・スミスが駐日カナダ大使館付武官として東京に赴任し、家族と共に日本へ帯同した。娘のリー・スミスは、その流暢な日本語を生かし、日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)『百万人の英語』で五十嵐新次郎教授の相手を務めて人気となり、映画『白い肌と黄色い隊長』に出演、NHKラジオ『とんち教室』にも起用されるなど、外国人タレントの走りだった。

 父の転任に伴い1961年7月29日にカナダへ帰国する事になっていたが、7月26日未明、東京都台東区浅草の同棲相手(当時19歳)の部屋で心中未遂を起こした。この日、リーは同棲相手の男性の勤務先のバーに客として入店していが、痴話喧嘩となり先に帰宅したリーはブロバリン(睡眠薬)30錠をウイスキーに溶かして自殺を図った。それから1時間たった26日午前0時半頃、店をしまって帰宅した男性は昏睡しかけているリーを発見するなり、ショックのあまり前後を忘れてリーの枕元に転がっていた残りのブロバリン約70錠を飲み干したというものだった。


 幸い二人とも命に別状はなかったが、症状が重かった男性は入院となり、結局リーは未練を残し泣く泣くカナダへ帰国した。