谷晃

谷晃(たにあきら 本名:道家巻蔵 1910年9月22日生)
 [俳優/演出家]



 大阪府出身。大阪市立東商業学校を卒業後、様々な仕事をこなして貯金を作り、1934年に新響劇場を立ち上げて舞台俳優として活躍する傍ら東宝に入社し、同社の劇団部では演出家としても活躍した。


 1940年には映画『船出は楽し』で念願の初主演を果たし、その後も亡くなるまでの26年間に様々なテレビドラマや東宝を中心とした映画で活躍した。かの黒澤明監督の『七人の侍』にも出演している。主役よりも脇役が多かったが、個性的な演技で名脇役として名を馳せた。その出演数は映画だけでも110本以上に及ぶほどの活躍ぶりで、当時は知名度も抜群の俳優であった。

 しかし1966年8月11日、東京の自宅で首吊り自殺を遂げてしまう。同年公開の映画『クレージーの無責任清水港』と同年に放送されたテレビ特撮ドラマ『ウルトラQ』が遺作となってしまった。自殺の原因は、俳優としての伸び悩み、持病、借金などが挙げられている。高血圧による言語障害で、せりふが思うように喋れないため、テレビの役を何度か降ろされていた。また、役者子供で金銭的にルーズだったらしく借金が一千万円近くあったという。亡くなる前日まで元気に振舞っていたと言い、彼を慕う親友たちは突然の訃報に絶句したと言う。

 1966年8月11日死去(享年55)