ティム・バックリィ

ティム・バックリィ(Tim Buckley 1947年2月14日生)
 [アメリカ・シンガーソングライター]



 ワシントンD.C.生まれ。一家は、様々な場所を転々とした末、1956年にカリフォルニア州に移る。1965年10月に結婚。この頃はバーやナイトクラブで歌っていたが、1966年2月5日にマザーズ・オブ・インヴェンションのドラマー、ジミー・カール・ブラックと出会う。ジミーを介して、マザーズのマネージャーのハーブ・コーエンと出会い、ハーブがティムのマネージャーとなる。8月にはエレクトラ・レコードとの契約を得る。1966年10月に離婚。この時妻が身ごもっていた子が、ジェフ・バックリィであった。

 1966年12月、デビュー・アルバム『Tim Buckley』発表。同作にはヴァン・ダイク・パークス等が参加。1967年のセカンド・アルバム『Goodbye and Hello』は、ビルボード誌アルバム・チャートへのチャート・インを果たす。『Goodbye and Hello』収録曲「Morning Glory」は、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズのデビュー作『子供は人類の父である』(1968年)でカヴァーされた。1968年、TVシリーズ『ザ・モンキーズ』にゲスト出演。1969年発表のサード・アルバム『Happy Sad』は、全米81位に達し、ティム最大のヒット作となった。

 1970年、ストレイト・レコードに移籍。アルバム『Greetings from L.A.』(1972年)では、大編成のバック・バンドを従えてファンク色を強める。同作発表後、マネージャーのハーブ・コーエンが設立したレーベル、DiscReetに移る。アルバム『Sefronia』(1973年)では、当時まだデビューしたばかりだったトム・ウェイツの楽曲「マーサ」をカヴァー。生前最後のアルバムとなった『Look at the Fool』(1974年)発表後、ハーブとの契約を解消し、以後はライヴを中心に活動。1975年3月には、当時8歳だった息子ジェフと会っている。

 先進的な音楽に挑戦し続けたティムだったが、薬物依存のため健康を害していた。一時は立ち直ることを決心をしたが、1975年6月29日、サンタモニカで酒とヘロインの大量摂取によるオーバードースで死亡した。1992年4月、ブルックリンでティムのトリビュート・コンサートが行われ、デビュー前のジェフ・バックリィがシークレット・ゲストとして登場し、「I Never Wanted to be Your Mountain」「Once I Was」を歌った。

 1975年6月29日死去(享年28)