玄松月

玄松月(ヒョン・ソンウォル 1978年生)
 [北朝鮮・歌手]



 平壌市生まれ。平壌音楽舞踊大学出身。音楽グループ「普天堡軽音楽団」の中心的なメンバーとなり、若年層を中心に高い人気を誇った。金正恩がスイスでの留学を終えて帰国した2000年頃から二人の関係が始まったとされる。当時、玄松月は他の男性と付き合っていたが、金正恩の猛烈なアタックで交際を開始したという。2006年、金日成総合大学を卒業を控えていた金正恩は玄松月との関係を整理するように、父親の金正日に指示されたため、玄松月は前述の付き合っていた男性と結婚し、歌手活動を中断した。しかし、実際には金正恩との関係を継続していたとの見方もある。2012年3月、銀河水管弦楽団の音楽会を観覧していたところ、司会者から促される形で観客席から舞台に上がり、臨月の身ながら6年ぶりに歌を披露した。

 2013年8月29日、韓国の『朝鮮日報』は中国の消息筋の話として、銀河水管弦楽団にポルノ映像制作などの性的スキャンダルが発覚し、メンバーはじめ十数人が公開処刑されたと報じた。続いて9月20日、日本の『朝日新聞』が、銀河水管弦楽団のメンバーはじめ音楽家9人が公開処刑され、楽団は解散させられたと報じた。この時、玄松月も銀河水管弦楽団と一緒にポルノを撮影した疑いで処刑されたという報道が伝わり、銃殺説は事実上定説であった。ところが、朝鮮中央テレビが2014年5月に第9回全国芸術大会の様子を放送し、その中にモランボン楽団団長肩書きで台座軍服を着て演説する玄松月が映っていたことがわかり、健在どころか大出世していたことが明らかになった。