糸井しだれ

糸井しだれ(いといしだれ 1919年9月21日生)
 [タカラジェンヌ]



 大阪府生まれ。1931年、茨木高等女学校(現在の大阪府立春日丘高等学校)を中退し20期生として入団。長い間、目立った役に恵まれなかったが、1938年頃から注目を浴び、主演娘役(春日野八千代らの相手役)をつとめるようになる。時期を同じくして「あひるは水が好き」でレコードデビューも果たす。

 1939年のヨーロッパ公演にも参加し、翌年には山田栄一や古賀政男作曲の流行歌を吹き込むなど、活動の場を広げて行った。慰問活動などにも積極的に参加し、戦地に赴くこともあった。初期には三枚目の千村克子とコンビを組む形で舞台に立っていたが、人気が集まってくると、「…の歌手」という役どころで喉を披露していた。

 1945年、結婚のために宝塚を退団。三重県津市の軍人の家に嫁いだが、間もなく同地を襲った大空襲に遭難。避難した防空壕に不運にも爆弾が直撃し死去。わずか25年10ヶ月の生涯であった。

 1945年7月24日死去(享年25)