佐々木つとむ

佐々木つとむ（ささきつとむ　本名：佐々木宏幸　1947年7月23日生）
　［ものまねタレント］

　兵庫県生まれ。高校時代から素人で演芸番組に出演、高校中退後の17歳で浅草松竹演芸場の司会に抜擢される。渥美清、高倉健、森進一、田中角栄等の物真似で人気を博した。昭和50年代のものまね芸人ではトップクラスの存在で、その実績から1974年と1977年に放送演芸大賞部門賞を受賞した。私生活では大変なギャンブル好きとしても知られていた。ギャラはその日のうちに全てを賭け事に費やしてしまうこともしばしばで、多額の借金を抱えていたという。

　1987年9月4日夜、当時佐々木が同棲していた東京都板橋区高島平の39歳女性宅において刃物で刺されて死亡しているのを所属事務所の社長によって発見された。佐々木は死後数日間が経過していた。

　佐々木には妻子がいたが、ギャンブルにのめり込んで巨額の借金を作り、家庭内でのいざこざが絶えなかった。その末に佐々木は1987年4月頃に家を出て、新宿のポーカーゲーム屋で知り合った女性と同棲していた。女性は借金をしていた佐々木の一部を肩代わりをしていたが、それでも足りないと佐々木がさらなる金銭を要求し、また女性の貯金を勝手に引き出したり貴金属類を勝手に換金するなどしたため、2人の仲は次第に険悪になっていった。事件当日に女性が飼っていた犬を佐々木が殴って骨折させたことがきっかけとなり、女性は佐々木の全身を刃物でメッタ刺しにして殺害した。犯行は突発的だったらしく、事件現場に残された遺書には「私もお父さんのそばに行きます、私がお父さんを殺すなんて夢にも思わなかった」と書かれていた。

　女性は犬を入院させた後消息を絶ち、2日後の9月6日に青森県の陸奥湾で入水自殺しているのが発見された。大川興業の若手芸人（ピグモン勝田）がこの事件現場のマンションをたまたま格安な家賃で借り、夜な夜な心霊現象に悩まされた挙げ句興業先で事故死するという、稲川淳二の怪談話としても語られている。

　1987年9月?日死去(享年40)