マイケル・ヘッジス

マイケル・ヘッジス(Michael Hedges 1953年12月31日生)
 [アメリカ・ギタリスト]



 カリフォルニア州サクラメントで生まれ、オクラホマ州イーニッドで育った。4歳の時にピアノ、12歳の時にチェロとクラリネットを習い始め、中学生になるとエレクトリック・ギターを弾くようになり、ロックバンドを結成してボーカルを担当。このころはエルヴィス・プレスリー、ピーター・ポール&マリー、そしてビートルズに強い影響を受けたという。高等学校に通い始めてから、当時のイギリスの人気グループ、ジェスロ・タルのリーダーであるイアン・アンダーソンに刺激され、フルートも手にとるようになり、レッド・ツェッペリン、ジミ・ヘンドリックスの影響を受ける一方でジョニ・ミッチェルやニール・ヤングといったシンガーソングライターを知ったことで、アコースティック・ギターに夢中になったという。

 地元オクラホマのピーボデイ音楽学院でフルート、作曲、音響学について学び、それまで受けてきたクラシック音楽教育を、様々な特異な演奏技術と組み合わせて、スチール弦のアコースティックギターに適用した。幅広い音楽スタイルをカバーしており、コンサートにおいては非常にダイナミックな演奏者として知られた。1980年代始めに、演奏をカリフォルニア州パロアルトのカフェで聞いたウィリアム・アッカーマンによって見いだされた。その独特の演奏技術に驚いたアッカーマンは即座にヘッジスとウィンダムヒル・レーベルとの契約を交わす。

 最初の2枚のアルバム『Breakfast in the Field』と『Aerial Boundaries』はアコースティックギター世界において画期的な作品であった。その後、定期的にギター中心の音楽に戻ったが、もっとポピュラーを演奏したり、歌う方面にも進出していった。作品のほぼすべてが変則チューニングで書かれている。演奏技法には、スラップ・ハーモニクス(弦を叩いてハーモニクスを出す)、右手でハンマリングをする(特に低い音で)、左手でメロディーやリズムに合わせてハンマリングとプリングを行ったり、弦をかき鳴らすのと同じぐらいの衝撃でギターをひっぱたくといったものがあった。

 1997年12月2日、サンフランシスコから北へ約160kmのメンドシーノ郡のカリフォルニア州道128号線わきで、土木作業員達によって遺体が発見された。路面がすべりやすくカーブの多い道路であったため、車が横滑りして土手を滑り落ち反転、車から投げ出され、内臓損傷で亡くなったとみられる。ヘッジスの死は様々なギタリストに衝撃を与えた。州法にしたがって検査が行われたが、アルコールやドラッグは検出されなかった。事故当時アルバム『Torched』を作成中で、死後にリリースされた。

 1997年12月2日死去(享年43)