ミクローシュ・フェヘール

ミクローシュ・フェヘール(Miklos Feher 1979年7月20日生)
 [ハンガリー・サッカー選手]



 タタバーニャ出身。1995年に地元クラブでデビューし、在籍3年間で23ゴールと非凡な才能を発揮すると、ハンガリー代表招集、そしてポルトガルリーグの名門FCポルトに移籍するなど順風満帆なキャリアをスタートさせる。

 しかしポルトでは目立った活躍ができず、転機が訪れたのはレンタル先のスポルティング・ブラガでのこと。2000~2001シーズン、26試合14ゴールを叩き出し、翌年レンタルから復帰、さらに翌年にはライバルチームのベンフィカに活躍の場を移す。 アルカイックな笑顔とスマートなプレースタイルが持ち味で、「ミキ」の愛称で親しまれた。

 2004年1月25日、ヴィトーリア・ギマランイスとの試合中でのこと。 後半15分に途中出場し、1-0でリードした試合終了間際、遅延行為とみなされイエローカードを提示されたフェヘールは、苦笑いを浮かべ、腰に手を当てたかと思うと間もなく前のめりに身を屈め、そしてピッチ上に仰向けに倒れた。程なく医療隊が呼ばれ、一度は脈拍と呼吸が回復したが、スタジアムの交通の問題などが重なり、チームの願いも虚しく搬送先の病院でこの世を去った。死因は肥大型心筋症による心停止だった。

 この試合は生放送されており、ちょうどカメラに背を向けたまま真後ろに倒れこんだため、トレードマークでもあった彼の笑顔が、記録された最後の表情であった。


 なお、この前年6月に行われたコンフェデレーションズカップでは、カメルーン代表マルク=ヴィヴィアン・フォエが同じく試合中の心停止で亡くなっており、代表とクラブの過密スケジュールに疑問を投げかける声が噴出した。

 彼の死を受け、ベンフィカはフェヘールが用いていた同クラブの背番号29番を永久欠番扱いとした。


 2004年1月25日死去(享年24)