つりたくにこ

つりたくにこ(本名:高橋邦子 1947年10月25日生)
 [漫画家]



 兵庫県生まれ。中学時代に水木しげる、白土三平、平田弘史、さいとう・たかをなどの漫画に親しみ、自らも創作活動を始めた。高砂中学校、高砂高校と進学し、この頃には既に『少女フレンド』などに原稿の持込みをしていた。

 1965年に、青林堂が漫画雑誌『ガロ』を創刊。新人募集を行っていた同誌に、つりたは「人々の埋葬/神々の話」を持ち込み、掲載された。その翌年に高校を卒業、上京した。上京後は講談社や若木書房などにも、はざまくにこ名義で少女マンガを描いていた。しかし次第に少女マンガを描くことに苦痛を感じるようになり、1967年ごろにはそのような作風の作品を描かなくなった。1968年には水木しげるのアシスタントも務めたが、約一ヶ月で辞めた。この頃から創作のペースが落ちてきていた。

 1972年に結婚し、京都に転居した。しかしその翌年から体調を崩し、不治の病である全身性エリテマトーデス(SLE)に罹患していることが判明。病状は徐々に悪化したため、この時期の作品の発表数は非常に少ない。1979年に、青林堂から作品集が刊行された。また同年に、病室で『フライト』を完成させ、『ヤングジャンプ』創刊を記念して創設された「青年漫画大賞」に応募(風木繭名義)、佳作となった。『フライト』は翌年に『ヤングジャンプ』に掲載された。継続的に『ガロ』にも作品を発表していたが、1981年の「帰路」(『ガロ』1981年10月)を最後に、1982年以降には作品を発表することはなかった。

 1985年6月14日、入院先の病院で死去。37歳の若さであった。2010年の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』に登場し、南明奈が演じた河合はるこについて、つりたがモデルとする説もある。

 1985年6月14日死去(享年37)