レベッカ・ルシル・シェーファー(Rebecca Lucile
Schaeffer 1967年11月6日生)
[アメリカ・女優]
オレゴン州ポートランド出身。TV映画を中心に活躍。女優として今後の活躍が期待されていた矢先の1989年、偏執的なファンの銃弾によって21歳の短い生涯を閉じた。
ロバート・ジョン・バードはスターに対するストーキング常習者だった。彼はTV映画に出演した新進女優のレベッカ・シェーファーに夢中になり、熱心にファンレターを書き続けた。しかし、その内容は次第に過激なものになっていったため、手紙のチェックをしていたエージェントは途中からそれを彼女に渡すのをやめてしまった。
ファンレターの返事が途絶えると、今度は彼女に会うためにテディベアと花束を携えて撮影スタジオに4回訪ねたが、4回とも警備員に追い返された。
ある日、映画館で愛するレベッカがラブシーンを演じているのを目撃したロバートは「彼女に裏切られた」と落胆した。また雑誌のインタビュー記事での彼女のコメントが従来のイメージより少し背伸びした内容だったため「高慢で生意気になった」と感じ、彼の歪んだ愛は殺意に変わった。
1989年7月18日、カリフォルニア州にあるレベッカのアパートのブザーが鳴った。自分をそれほど大物とも思っていなかった彼女はセキュリティの強化をしておらず、しかもバスローブ姿のまま無防備にドアを開けた。そこにはマグナム銃を構えたロバートが立っていた。そして彼女は胸に銃弾を浴び、その場に崩れ落ちた。ほぼ即死状態であった。
ロバートはその場から逃走したが、数日後に自首。「いまも彼女をもちろん愛してます」と法廷で述べた彼は、終身刑となった。
レベッカが殺されたのは、映画『ゴッドファーザー
PARTⅢ』のメアリー・コルレオーネ役の候補となり、フランシス・コッポラ監督に会おうとしていたその矢先のことだった。
当時レベッカの恋人だったブラッド・シルバーリング監督の映画『ムーンライト・マイル』(2002年)は、この時に体験した監督と彼女の家族との関わりを基に製作されている。
この事件をきっかけに、翌年カリフォルニア州でアメリカで最初のストーカー行為禁止法が施行された。また、ロバートがレベッカの個人情報をコンピュータを用いてカリフォルニア運輸局の情報端末から仕入れていたことから、運輸局端末へのアクセスを制限する法令が制定された。
1989年7月18日死去(享年21)