谷口けい

谷口けい(たにぐちけい 本名:谷口桂 1972年7月14日生)
 [登山家/アルパインクライマー]



 和歌山県生まれ。千葉県育ち。小学校時代に冒険家植村直己の著書と出会い、大人になったら植村の消えたデナリに登りに行こうと決めていた。明治大学文学部史学地理学科入学。大学時代はサイクルツーリングクラブに所属し、自転車で日本と世界を旅していた。大学卒業後に山岳会(京葉山岳会)に入会するとともに、アドベンチャーレースにも参加するようになる。大学卒業後、マスコミ業界に就職するが、2年半で退職。野口健環境学校プログラムファシリテーター、山岳ツアー会社契約ツアーリーダー、日本山岳協会自然保護指導員、東京都山岳連盟遭難対策委員兼救助隊等、教育、野外活動の分野で幅広い経験と実績を積む。

 2002年より、野口健エベレスト清掃隊、マナスル清掃隊に参加、2006年マナスル登頂、2007年エベレスト登頂。それと並行し、ゴールデンピーク(7200m)、ライラピーク(6200m)、シブリン(6543m)、カメット(7756m)に新ルートからアルパインスタイルで登攀を成功させる。2008年、カメット未踏ルート南東壁初登攀が評価され、パートナー平出和也とともに第17回ピオレドール賞受賞(女性がピオレドール賞を受賞するのは世界初)。2009年、読売新聞日本スポーツ賞受賞。2014年、人類未踏峰のムスタンマンセイル峰(6242m/ネパール)に日本の女子大生4名と共に初登頂し、世界を舞台に活躍する冒険家たちをたたえる「第6回ファウストA.Gアワード」の挑戦者賞に選ばれた。株式会社IWNC研修プログラムファシリテーター、野外研修ファシリテータ―、山岳ツアーリーダー、アドベンチャーレーサー、アルパインクライマー、東京都山岳連盟レスキューリーダー、日本山岳協会自然保護指導員を務めた。

 2015年12月21日午後2時50分ごろ、北海道上川郡上川町の大雪山系黒岳(1984m)を登山中、山頂付近で用を足すためロープを外し仲間から見えない岩陰へ移動した後に滑落。岩陰には両手の手袋が残されていた。悪天候のため捜索が難航し、翌22日午前中に心肺停止の状態で発見。その後病院で死亡が確認された。滑落の際、頭と首の骨を骨折しており、死因は脳挫傷だった。

 2015年12月22日死去(享年43)