石田徹也

石田徹也(いしだてつや 1973年6月16日生)
 [画家]



 静岡県出身。父親は元焼津市議会議員。4人兄弟の末っ子。地元の静岡県立焼津中央高等学校を経て1996年、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。元々高校は美術系を希望していたが、親からの強い要望で普通高校に入る。本人は苦痛を感じていたという。大学時代の友人に映画監督の平林勇がおり、共同で作品を製作していた。就職活動中に一社だけデザイン会社に行ったが、就職氷河期であても無く、就職はしないと決めて、画家としての活動に専念する。

 モチーフでは主に、SLやビニール袋、便器などといった日常生活で使用するものと一体化した青年を題材とすることが多く、日常生活に潜む不安や現代社会への風刺を超現実的に描いている。なお、題材としている青年はほとんどが同じような顔をしており、作家本人と似ているため自画像だと思われることが多いが、本人は否定しており、作者自身が感情移入できるような人物を描いているという。

 地道に精力的な活動をしていたが、2005年5月に、踏切事故で死去。小田急線の踏切での事故だったが、自殺ではないかという憶測も流れた。部屋からは大量の未発表作品と、製作途中の絵が見つかっている。

 しかし、死後も人気は衰えず、2006年11月にクリスティーズが香港で開催したオークション『アジアの現代美術』に Lot. 496 として出品された『無題』(2001年)は、クリスティーズの事前落札予想価格6万~8万香港ドルをはるかに上回る78万香港ドル(約1200万円)で落札された。2009年、遺族が紺綬褒章を授与されている。

 2005年5月23日死去(享年31)