パトリック・カウリー

パトリック・ジョセフ・カウリー(Patrick Joseph Cowley 1950年10月19日生)
 [アメリカ・作曲家]



 ディスコやHi-NRGダンスミュージックの作曲家であり、レコーディングアーティストであった。彼の録音スタイルは、ジョルジオ・モロダーに影響を受けており、そしてエレクトロニック・ダンスミュージックのパイオニア的な存在として知られている。

 バッファローで生まれて、その後はシンセサイザーの研究に没頭した。1971年にサンフランシスコへ移ってからは、市内のディスコで照明技師として働き、その際そこで演奏をしていたシルヴェスター(元々は、ザ・コケッツというゲイの演劇集団)と出会った。彼らは共同で活動を始め、カウリーはシルヴェスターの攻撃的なシンセサイザースタイルに影響された。彼らは、クラブダンスの熱狂的なファン達に対し、「You Make Me Feel(Mighty Real)」、「Dance(Disco Heat)」や、最も成功したシングルとなった「Do You Wanna Funk」のようなヒット曲で応えた。自身のヒットとしては、1981年の「Menergy」と、ゲイ・クラブシーンの祭典である「Megatron Man」が含まれている。1982年に、パトリック・カウリーは、サンフランシスコのディスコThe EndUpで行われたパーティーMenergyで、DJを行った。サンフランシスコのアーティストであるポール・パーカーのために、ダンス・シングル曲「Right on Target」を書き上げてプロデュースを行い、ホットダンスミュージック/クラブ・プレイチャートで1位を獲得した。更にカウリーは、15分以上を越えた長編となったドナ・サマー「I Feel Love」のリミックスをリリースした。

 カウリーが自身のHIV感染が進行しているのを感じてきた時に、最終のアルバムとなった「Mind Warp」がリリースされた。これは、病状が進行するにつれ、現実から逃避している現在の状況を表している内容であった。1982年11月12日にAIDSの合併症により亡くなった。カウリーは3枚のソロアルバムを発表しただけであったが、ペット・ショップ・ボーイズやニュー・オーダーなどのグループが、影響を与えたアーティストの1人として、今でも彼の名前を挙げている。

 1982年11月12日死去(享年32)