レイン・ステイリー

レイン・トーマス・ステイリー (Layne Thomas Staley 1967年8月22日生)
 [アメリカ・ミュージシャン]



 ワシントン州カークランド生まれ。1987年にシアトルにてロックバンド「アリス・イン・チェインズ」結成。1990年、アルバム『フェイスリフト』でデビュー。グランジが隆盛を極めた1990年代にはアメリカを中心に絶大な人気を誇り、1700万枚以上のアルバムセールスを記録。レインの歌声は「麻薬」と形容されるほどクセのある歌声で、当時のグランジ勢の中でも特別に異彩を放っていた。


 音楽的にも商業的にも成功を収めた一方、麻薬問題を抱えており活動はしだいに途切れがちとなっていった。1996年、MTVアンプラグドで実に3年ぶりに観客の前で演奏を行ったが、そのときのレインがかなり衰弱しているのは誰の目から見ても明らかであった。ドラッグによる影響で手の指が壊死したと一部報道がされたがレイン側からそのような事実は無いと発表された。

 生前、最後のインタビューとなった際にも「俺はもう死にかけている」と死期が近いことを話しており、「ハイになるためにドラッグをやったのではない」、「こんな形で最期を迎えるつもりなどなかった」などとドラッグの使用には後悔していた事を伝えている。

 2002年4月19日、レインの会計士から「2週間以上口座から金が引き出されていない」と連絡を受けた母親が警察を伴って訪れた自宅で腐乱死体となって発見された。発見時の体重は39kg(身長185cm)であった。検死の結果「スピードボール」と呼ばれるヘロインとコカインを混ぜ合わせた強烈な薬物による急性中毒死であった。


 2002年4月5日死去(享年34)