サバンナ

サバンナ(Savannah 1970年10月9日生)
 [アメリカ・ポルノ女優]



 両親が1972年に離婚し、母親とともにテキサス州へと移住。のちに父親とともにカリフォルニア州のオックスナードで短期間暮らし、その後生まれ故郷の同州ミッションビエホで祖父母とともに暮らした。13歳の時に父親が実父ではないという事実を知った。それから間もなく両親に反抗し始め、グルーピー(有名人の熱狂的ファン)となった。

 17歳になる以前のおよそ2年間、ミュージシャンのグレッグ・オールマンとともに暮らし、そして妊娠を経て流産を経験。オールマンと破局したのちにハードロックバンド「Mr.Big」のベーシスト、ビリー・シーンのもとに移った。ヌードモデルとポルノ女優の仕事を始めた1990年頃にビリー・シーンと離別。

 湾岸戦争の折には、配置された米軍の士気を高めるためにとのことで、戦車とジェット戦闘機の側で裸でポーズをとった。

 1991年にビビッド・エンターテインメントとの独占契約を獲得し、すぐさま知名度が上昇。いつしかドラッグを常用するようになり、膨大な浪費を開始。伝えられるところによれば、かなりの収入を得ていながら、それで財政的に逼迫していた。やがて仕事をともにするのが困難であるとの評判を得るに至り、1992年をもってビビッドから契約を打ち切られる運びとなった。

 ロックスターへの愛情は止むことがなく、ヴィンス・ニール、ビリー・アイドル、スラッシュ、アクセル・ローズなどといった著名なミュージシャンらと親密な関係になった。仕事をともにしたポルノ女優のジーナ・ファインと長期にわたってレズビアンの関係にあった。これについてはのちに『深く恋に落ちた』と語っている。

 1994年7月11日の午前2時頃に、パーティーを終えて友人のジェイソン・スウィングを乗せて家へと向かっていた。調査報告によると両者とも酔っていた。そして家まであと1ブロックというところで、乗っていたコルベットごと塀へと突っ込んだ。顔に裂傷を負い鼻を骨折。家に着いたのちにペットの犬を散歩させるためにスウィングを送り出した。

 友人でマネージャーのナンシー・ペラに電話を掛け、助けに来るようにと依頼。ペラは到着と同時に血の海に横たわる、しかしまだ息のあるサバンナを発見した。サバンナは家にあった9mm口径のピストルで、明らかに自分自身を撃っていた。昏睡状態のまま、1994年7月11日午前11時20分、搬送先の病院で死去。

 死後に家族は憤慨し、ポルノ界の友人達を非難する公式声明を出した。捜査に当たった警察官は、サバンナが薬物使用、財政難、破綻した人間関係などを原因として著しく落胆していたと結論を出した。仕事に多大な悪影響を与えるかも知れない怪我を負った事故は、サバンナに自ら人生のピリオドを打たせた最終的な要因であったと、警察は推論した。

 その半生を通して頻繁にハリウッドとの交流を持ったが、自身の葬儀に出席してくれたのは長期間にわたって恋仲にあったコメディアンのポーリー・ショアだけであった。

 1994年7月11日死去(享年23)