狩場良子

『絞殺』より



狩場良子(演者:乙羽信子)
 有名高校に通う息子の勉が家庭内暴力をふるい始め、やがて家族が命の危険を感じるほどまでにエスカレートする。父親の保三は妻の良子と相談のうえ、やむなく息子を絞殺。息子の殺害後には両親も揃って自殺することを考えていたが果たせず、近隣住民の減刑嘆願により裁判は情状酌量され、異例の執行猶予つきの判決となった。
 
 しかし、良子は保三に向かって「わたしの勉をかえせ」となじりはじめた。良子にとって勉はたったひとつの生き甲斐であったことが、息子の死によって気付かされた。そして、良子は「勉のやったことはよくわかります」と二行したため、勉の部屋の前で首を吊って、後を追った